雇用調整助成金の賃金台帳記載方法
賃金台帳の記載方法

1.賃金台帳の書き方【正社員編】

雇用調整助成金、緊急雇用安定助成金は休業手当として支払った額に対し、支給されます。
従いまして、賃金台帳に休業手当の額を記入する必要があります。
申請書類の作成の前に、賃金台帳や給与明細をしっかり作成しましょう。
賃金台帳とは、簡単に言いますと、支払った給与の明細を会社でデータとして管理するために作成する表のことです。

基本給が20万円の月給制の正社員が休業した場合を例に、実際の給与明細がどのように表記されるべきかを説明します。

①1カ月間全て休業した場合の書き方

その月の所定労働日数、つまり1ヵ月のうち、休みである土日祝日を除いた日数が21日、1日の所定労働時間が8時間の場合

給与明細【支給・控除欄】

支給   控除  
基本給 200,000 健康保険料 9,870
休業手当 200,000 介護保険料 0
休業控除 -200,000 厚生年金保険料 18,300
    雇用保険料 600
    所得税 3,770
総支給 200,000 控除合計 32,540

給与明細【勤怠欄】

所定労働日数 21 所定労働時間 168:00
実労働日数 0 実労働時間 0:00
休業日数 21 休業時間 168:00

②1カ月の内10日間を休業した場合の書き方

給与明細【支給・控除欄】

支給   控除  
基本給 200,000 健康保険料 9,870
休業手当 95,238 介護保険料 0
休業控除 -95,238 厚生年金保険料 18,300
    雇用保険料 600
    所得税 3,770
総支給 200,000 控除合計 32,540

給与明細【勤怠欄】

所定労働日数 21 所定労働時間 168:00
実労働日数 11 実労働時間 88:00
休業日数 10 休業時間 80:00

休業手当全額支給の場合は、単純に基本給等の対象賃金の総額を所定労働日数で割り、休業日数でかけたものを休業控除額とし、その同額を休業手当として記載するということになります。

これが、8割支給の場合は、算出された休業手当額に0.8をかけた金額を記載するということになります。

赤文字の数字が雇用調整助成金の対象となる部分です。
ここで重要なのは、休業控除は「支給欄」で計算するということです。
控除欄で引いてしまう事例が散見されますが、控除欄で計算すると単純に雇用保険料は正しい金額の2倍、所得税は2倍の収入に対する税額となってしまいます。
休業控除は欠勤控除と同じですから、支給されない金額です。
その金額に支給されたものとして本来の給与に上乗せして雇用保険料や所得税を算出してしまったら、大きな計算ミスが起きてしまいます。
更には、この計算ミスは年末調整や労働保険の年度更新では修正できませんので要注意です。
事業主が支払った休業手当に対して支給される雇用調整助成金ですが、賃金台帳や給与明細のどこにも休業手当が記載されていなければ、不自然な賃金台帳や給与明細ということになります。

このように記載しなければ、必ずしも不支給となるわけではございませんが、スムーズな審査をしてもらうためにも、正しい記載方法で作成しましょう。

パート・アルバイト

2.賃金台帳の書き方【パート・アルバイト編】

次は、時給制のパート・アルバイトの休業手当の賃金台帳記載方法を説明します。

時給の場合は、通常、賃金控除という考え方はありません。実際に働いた時間に対して給与が支払われますので、休んだ分は元々計算されません。
しかし、労働基準法に基づいて考えると、雇用契約の際に週の所定労働時間や日数について契約しているかと思います。
例えば、月水金で合計15時間だったり、週4回(シフト表による)などといった内容です。
では、1週間の所定労働日数3日、所定労働時間15時間、時給1,100円の場合を例に給与明細を作成してみましょう。

①1ヵ月全て休業した場合の書き方

給与明細【支給・控除欄】

支給   控除  
基本給 0 所得税 0
休業手当 71,500 雇用保険料 214
       
支給合計 71,500 控除合計 214

給与明細【勤怠欄】

所定労働日数 13 所定労働時間数 65:00
実労働日数 0 実労働時間数 0:00
休業日数 13 休業時間数 65:00

②1カ月の内5日間を休業した場合の書き方

給与明細【支給・控除欄】

支給   控除  
基本給 44,000 所得税 0
休業手当 27,500 雇用保険料 214
       
支給合計 71,500 控除合計 214

給与明細【勤怠欄】

所定労働日数 13 所定労働時間数 65:00
実労働日数 8 実労働時間数 40:00
休業日数 5 休業時間数 25:00

このように休業時間数に対して、時間給が支払われるのですが、それが休業手当という名称になります。
ここをそのまま基本給と表示してしまい、休業手当の名称がどこにも表示されない例が散見されます。
雇用調整助成金は、あくまでも休業手当を支払った場合に支給される助成金ですので、そのポイントをしっかり押さえましょう。