キャリアアップ助成金「正社員化コース」の不支給要件とは

キャリアアップ助成金「正社員化コース」の不支給要件

今回は、助成金の中でも知名度がかなり上がりつつあるキャリアアップ助成金(正社員化コース)の注意点について、再確認します。

以下は、助成金が不支給になってしまう主な場合です。

再確認の意味で、よくある不支給要件を抜粋してまとめてみました。

①解雇等、事業主の都合により離職させた場合

転換前6ヶ月から転換後6ヶ月の間、つまり、1年間の間に解雇があってはなりません。

注意なのは、「事業主都合の離職」は、本人の申し出による退職以外を意味するということです。

例えば、適正のない従業員に、話し合いで辞めてもらった場合、ずばり、事業主都合の離職という判定になります。

また、従業員側から「会社都合での退職にして欲しい」とお願いされることもあります。これは、自己都合の退職は、失業保険の給付に制限があり、すぐにもらえない(約3カ月のペナルティ)ため、会社都合にして欲しいと頼まれるわけです。

辞めてもらうので、せめてもの恩情というお気持ちもわからなくはないですが、助成金の要件に引っかかるというより、事実に反する申告で、失業保険を受給させてあげるのも、良い話ではありません。

②労働保険料を納入していない場合

年に一度の労働保険の年度更新が毎年6月にやってきます。

このタイミングで、確定保険料を計算し、次の年度の概算保険料を支払うことになりますが、この手続きを怠っていますと、労働保険の滞納ということなります。

助成金の不支給要件ではありますが、労災保険や雇用保険は従業員を守るための大切な保険です。

手続は必ず行いましょう。

③労働関係法令の違反があった場合

労働基準法は、そのほとんどが罰則付きの条文です。

この度の法改正で「年次有給休暇の5日付与」が罰則付きで有名になりましたが、有給休暇を従業員から請求されたにも関わらず、これを付与しなかった場合は、もともと罰則付きの条文です。

これも助成金の不支給要件というよりは、企業の力はマンパワーであることを考えますと、コンプライアンスは重要です。

④雇入れの時点で正社員として約束している場合

「6カ月間は有期契約と言っても試用期間みたいなものだから」や「問題がなければ6カ月後には正社員にしてあげるから」などといった言動が、ここでいう「正社員としての約束」に当たります。

6ヶ月後に正社員になれるというのは、契約社員ではありませんので、そもそも助成金の対象にはなりません。

それに、雇入れから数カ月たったころに、問題社員であることが分かったり、事業の縮小などで業務が減少したりした場合、契約期間の終了で退職してもらうことはできません。

⑤対象者が支給申請日に退職している場合

正社員に転換後6カ月が経過し、助成金の支給申請をする段階で、対象者が離職していたら、やはり、これも助成金の対象とはなりません。

ただし、支給申請書類が受理された後の離職であれば可能です。

⑥対象者が1年以内に定年で退職する場合

キャリアアップ助成金「正社員化コース」は、有期契約労働者の身分を安定させるという雇用政策です。

すぐに定年を迎える方を転換しても、主旨に反しますから助成金の対象とはなりません。

⑦事業主や取締役の3親等以内の親族である場合

こちらも⑥の主旨を考えれば、当然に対象とはなりません。

⑧転換日以降に雇用保険・社会保険に未加入の場合

転換日以降、未加入ということは、加入要件を考えますと、あってはならないことということなります。

1週間の所定労働時間は20時間で雇用保険、30時間で社会保険に加入しなければなりません。

正社員であれば、この時間は超えることになります。

⑨キャリアアップ計画書提出前に正社員転換している場合

助成金は、計画書を労働局に提出し、認定を受け、計画書通りに実行することにより支給されます。

認定を受けていないことを労働局への申告なしに実施しても助成金の対象とはなりません。

⑩就業規則に助成金要件を記載していない場合

助成金は、就業規則どおりに人事労務管理が行われているかということが基準の一つとなります。

従いまして、就業規則に記載していなければ、就業規則どおりでないということなり、支給の対象とはなりません。

⑪転換前6か月間の賃金より5%以上増額してない場合

これは、賃金アップの要件です。

ただ単に5%上げても要件に該当しないこともあります。

5%の対象となる賃金は、固定的賃金であることが求められますが、対象賃金は厳しく見られます。

また、1ヶ月でみると5%上がっていても、6ヶ月でみると上がっていなければ、要件を満たさないさず、不支給の可能性が高いです。

 

いかがでしょうか。

よく考えれば当たり前のようですが、意外にも盲点だったりしますので、注意が必要です。

キャリアアップ助成金「正社員化コース」は、1名あたり57万円が支給されます。

売上ベースで粗利57万円は無視できない数字です。

弊所では、顧問契約無しのスポットでのご依頼でも助成金申請の代行サービスを実施しております。

初回相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。

アストミライ助成金担当社労士

 

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