1. HOME
  2. ブログ
  3. 労基法
  4. 休業手当とは

BLOG

ブログ

労基法

休業手当とは

1.休業手当とは

最近よく耳にします休業手当は、労働基準法第26条で定められおり、世間では、「事業主都合による休業は、平均賃金の6割を補償しなければならない」という意味合いで理解されています。

しかし、その計算方法は多く誤解を受けております。今月は、休業手当を算出するための正しい計算式を、ご紹介いたします。

まず、大前提として、休業手当とは、ただ単純に欠勤となった給与の6割を支払うものではありません。休業手当額(平均賃金の6割)と比較し、欠勤などによって下がった給与が、休業手当として計算された額(平均賃金の6割)より少ない場合に、その差額を支払うというものです。

また、休業手当の計算は、月給の場合とそれ以外の場合とで異なります。月給でない場合は、最低保障額との比較が必要になります。

2.実際の計算式

では、実際に月給30万円の場合の休業手当について、以下、計算してみます。

30万円×3カ月=90万円÷91日(今年1月から3月の暦日数)≒9,890円(平均賃金)
9,890円×0.6=5,934円(1日の休業手当の額)

つまり、このケースでは「1日あたり5,934円」の休業手当が必要です。さらに、1日4時間の時短を行い、4時間分の賃金を控除した場合は以下のとおりです。

30万円÷163時間(土日祝日休みの場合の1カ月平均所定労働時間)≒1,840円(時間給)
1,840円×8時間=1万4,720円(日額)

3.時短による控除

上記から4時間分控除すると

14,720円(日額)―7,360円(4時間)=7,360円

ですから、さきほどの休業手当5,934円と比較すると支給した7,360円の方が上回っていることになり、休業手当の支給は、法律上は必要ないということになります。

4.時間給の最低保障

次に、時間給の方の平均賃金の最低保障のお話です。

時給1000円の場合を例にとります。(東京都の最低賃金は1013円ですが例としての金額です)

1日5時間、週5日勤務のパートさんの平均賃金は、

1,000円×5時間×月21日=10万5,000円×3カ月÷91日(3カ月暦日数)=3,462円(日額の平均賃金)

です。この場合の最低保障の計算は、

10万5,000円×3ヵ月=31万5,000円÷63日(労働日数)×0.6=3,000円(平均賃金の最低保障額)

平均賃金が最低保障を上回っておりますので、通常の平均賃金を採用することになります。

さて、ここからですが、時短勤務などで2時間30分しか時間給が支払われなかった場合、この方の日額は2,500円ということになりますので、休業手当は

3,462円―2,500円=962円

ですので、休業手当として支払うべき休業手当は962円ということになります。

計算式の3ヵ月の給与は、実際の給与額、労働日数、暦日数で計算して下さい。上記は例示です。

以上は、あくまでも法律上の要件です。

実際には、時短分を説明なしに給与から差し引くことはトラブルの元です。

労使でよく話し合ったうえで、どのような手当をどのようなルールで支払うかを決定することをおすすめいたします。

詳細については、アストミライへお問い合わせください。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事