キャリアアップ助成金の注意点
今日は、キャリアアップ助成金「正社員化コース」の注意点についてです
支給申請書類は完璧なのに…
助成金の代表格ともいえるキャリアアップ助成金。
聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。
非正規雇用労働者のキャリアアップ促進に取り組むことに対しての助成金です。
キャリアアップ助成金は大きく7つのコースがありますが、有期契約労働者等を正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成されるのが正社員化コースです。
期間の定めのある契約社員やアルバイト・パートの方を、正社員に転換した場合、1人当たり57万円(生産性要件該当の場合72万円、※中小企業)が支給されます。
しかも年度で20人まで申請可能!
学歴や職歴に関係なく優秀な人材を正社員に登用している事業所、または予定している場合はぜひ活用したい助成金です。
※年度で最大1,440万円受給可能(各要件有)
正社員化の3コース
① 有期→正規:1人当たり57万円(生産性要件該当の場合72万円)
② 有期→無期:1人当たり28万5,000円(生産性要件該当の場合36万円)
③ 無期→正規:1人当たり28万5,000円(生産性要件該当の場合36万円)※上記金額はいずれも中小企業
それぞれに細かい要件がありますが、取り組む前に必ず実施しなければいけないもののひとつに「キャリアアップ計画書」の提出があります。
この計画書は正規雇用(または無期雇用)に転換する前までに労働局に提出する書類ですが、その書類の中にあるキャリアアップ計画期間が重要です。
上記の転換日をこのキャリアアップ計画期間内に行う必要があります。
キャリアップ計画書の提出日以降でしかキャリアアップ計画期間を設定することができないので注意が必要です。
例えば、令和元年7月1日に正社員に転換する対象者がいて、7月2日にキャリアアップ計画書を労働局に提出、そのキャリアップ計画書のキャリアアップ計画期間を令和元年7月1日~としていた場合、提出前の計画期間は無効となってしまうので7月1日に正社員転換した方は対象外となってしまいます。
この場合、完璧な支給申請書類一式を作成し提出したとしてもキャリアアップ計画期間内に転換を行っていないので不支給となってしまいます。
助成金申請は時系列に順番通りに取り組む必要があるのでよく確認して進めていきましょう。
有期雇用のはずが無期雇用扱い?
またちょっとしたことで減額になるケースもあります。
有期雇用契約のある非正規労働者を正社員にした場合に対象になる
①有期→正規
のコースですが、有期雇用契約時の雇用契約書(労働条件通知書)で、
「期間の定めがあり」で「〇年〇月〇日~〇年〇月〇日」と有期になっているから大丈夫」
と思っていたら要注意!
他にもチェックするポイントがあります。それはなんでしょう?
それは更新の記載です。
「要件により更新する場合があり」であれば大丈夫ですが、ここが「自動更新」になっていると有期契約ではなく無期契約とみなされます。
完璧な支給申請書類一式を作成し提出したとしても「①有期→正規」ではなく「③無期→正規」となり助成金金額が半額になってしまいます。
助成金の目的、趣旨通りにきちんと取り組んでいたとしても書類に不備があれば助成金は受け取れません。
助成金申請の手引きに記載のない注意事項が他にもたくさんありますので、しっかりと確認しながら進めていきましょう。
早くも変更!要注意!
「支給要件確認申立書」が今年度から大幅に変更になりました。と前回ご案内しましたが、その様式が早くも変更になりました。
令和元年5月7日から新しい書式になったのでまたまた要注意です。
4月にお客様から新しい様式で署名捺印をもらってきたばかりなのに…、また変更(涙)。
そうなんです、こんなことがあるんです。
予算に達したからこの助成金は年度途中でも終了!とか、助成金の要件を少し変更しました!とか、たまにあります。
労働局から変更になりましたよー。
なんて連絡は一切ありません。
メールも手紙もお知らせは一切来ません。
厚労省のHPで確認するしかないのでちょこちょこ確認するのも必要です。
変更になったの知らなかった…は、通用しません。
厳しい世界なのです。
アストミライ助成金担当社労士
この記事へのコメントはありません。